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​東京大学との共同研究による水位予測技術

当社の水位予測技術は、東京大学生産技術研究所と構造計画研究所との社会連携研究部門「未来の複雑社会システムのための数理工学」との共同研究成果です。複雑系やカオスの第一人者である合原一幸教授と共に、最先端の数理工学を活用し開発されました。

​気象防災ビジネス室

東京大学生産技術研究所_合原研究室_共同開発

合原研究室

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予測技術に関する研究成果は、Nature Publishing Groupの総合科学雑誌「SCIENTIFIC REPORTS」に掲載されました。2020年で最もダウンロードされたTop100論文に選ばれ、世界的な評価を頂いております。

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出典:東京大学生産技術研究所 2020/1/21 プレスリリース, http://www.iis.u-tokyo.ac.jp/ja/news/3225/

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出典:東京大学IRCN 2021/3/12 プレスリリース, https://ircn.jp/pressrelease/20210312-kazuyukiaihara

力学系理論を水位予測に活用

当社の水位予測技術は、力学系理論に用いられる「埋め込み」(embedding)と呼ばれる手法を応用したものです。河川水位のように決定論的なダイナミクスから生成される時系列データは、一部の観測データのみからでも、埋め込むことでシステムの解の軌道(アトラクタ)を再構成できることが知られています。本技術はこの性質を応用し、再構成したアトラクタの幾何的な挙動を利用することで将来の水位を予測します。

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時系列データを十分大きな次元で「埋め込む」ことで、

元のシステムの解の軌道(アトラクタ)を再構成できる

予測手法の特徴

  1. 過去の計測データ(水位・雨量・ダム・潮位など)のみを用い、短期間で実装可能

  2. AI手法が苦手とする、学習データを超える未経験の洪水規模も高精度に予測

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予測対象の蓄積された過去データがあれば、洪水に限らずの予測モデルの構築が可能です。ダム流入量や高潮などの検証事例がございます。まずはお問い合わせください。

​物理モデルとの比較

本予測技術による予測システム構築に必要なのは、過去数年分の計測データ(水位・雨量・ダム・潮位など)のみです。シミュレーションに用いる物理モデルのような、河川形状、地形・地質データは不要です。流量を介さず直接水位を予測するため、H-Q式の構築も必要ありません。予測地点によっては潮位やダムの影響が無視できませんが、適切な説明変数を予測モデルに組み込むことで高精度に予測ができます。また、予測に要する時間は数秒であり、天気予報のデータを入手したら直ぐに水位予測情報を更新できます。

物理モデルに対する優位性

  • 蓄積データのみ使用、測量は不要

  • 水位を直接予測するためH-Q式に内在する誤差の影響を受けない

  • ​天気予報データ受信から数秒で予測計算が完了する

​人工知能モデルとの比較

ニューラル・ネットワークを始めとしたブラックボックス的な手法(人工知能モデル)では、未経験の洪水規模で予測が不安定になる場合があり、事前に予測の挙動を把握することは困難です。当社の手法では、埋め込みにより再構成したアトラクタを参照して過去洪水との乖離を把握できるため、安定した予測結果が得られ、また経験的にも十分な精度が確認されています。

また、近年発展が著しいディープラーニングでは、大量のパラメータに対するフィッティングが必要であり、一般に少数のデータしか得られない洪水データに対しては十分な精度を発揮するのは困難です。一方、当社の予測技術は少数データを対象として開発された予測手法をベースにしており、比較的少ないデータからでも十分な精度を発揮します。

一般に人工知能モデルでは、データが蓄積された場合、予測モデルを作り直しモデルパラメータを更新することで精度の向上が期待できます。一方、当社の予測手法では、予測モデルを作り直さずとも(モデルパラメータを更新しなくとも)、精度の向上を図ることができます。ただし、十分にデータが蓄積された場合は、再度モデルを作り直すことでさらなる精度の向上が期待できます。

人工知能モデルに対する優位性

  • 未経験の洪水に対しても安定した予測精度

  • 少数データに対しても適用可能

  • モデルを作り直さずともデータ蓄積により精度向上

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